表題番号:2008B-094 日付:2009/03/30
研究課題自然と共生する知能情報機械系に関する基盤的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 橋本 周司
(連携研究者) 理工学術院 助手 山口 友之
(連携研究者) 理工学術院 助手 酒井幸仁
(連携研究者) 理工学術院 助手 前田真吾
(連携研究者) 理工学術院 助手 中村真吾
研究成果概要
人工物に比べてはるかに規模が大きく,季節,天候により大きく様相の変化する山林などの自然と共生する機械システムには,単なる個別目標を達成する機能だけでなく,自然を大きく捉えて理解する知能が求められる.そのためには情報ネットワークとの結合が不可欠であるばかりでなく,人間共存ロボットとは異なる視点からの研究が必要である.本研究は,フィールドセンサネットワーク,情報認識,ロボット制御,屋外ロボットに関する研究を有機的に結合することにより,自然と機械とのインタフェース技術の学術基盤を構築し,ロボットとネットワークの活用に関する新しい分野を開くことを目的としている.
本年度は,ロボットシステムを構築する上で重要な新しいセンサネットワークの構築手法,自然画像等を高精細に解析するための高画質化手法,及びナビゲーションロボットや搬送ロボット等を開発し,基礎的な検討を行った.
 まず、アクチュエータ,センサ,情報処理系等の様々なIRT(Information & Robot Technology)要素間でやり取りする情報を“意味”に統一してモジュール化し,意味を伝達するネットワークを構成することで,機能の追加や変更に柔軟に対応できるIRT システム構築法を提案した.外界の気温や人間の有無等の入力に対して出力機器のアクチュエータ等を容易に実装することが可能である.これは,農業用ロボットや既存の草刈りロボット等を容易に統合制御できると期待できる.また,RFIDおよびセンサネットワークモジュールの両方を用いて,移動ロボットの自己位置認識の高精度化を試み,狭隘部の通過が容易になることを実験的に確認した.さらに、ランダムに配置したRFIDタグから、自己位置の推定を可能にするアルゴリズムの開発も行った.画像処理系では,複数画像からの高階調化の新しい手法を検討し,従来に比べて良好な画像を合成することができた.人間とロボットのインタフェースの研究では,積荷をインタフェースとする搬送ロボットおよび口中動作によるロボットハンドの制御を実現した.