表題番号:2008B-038 日付:2009/03/24
研究課題都市社会教育行政における移行期の若者の支援に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 助手 阿比留 久美
研究成果概要
東京都23区の社会教育行政のなかで、移行期(15~30歳)の若者に対して、どのような事業がなされているか、資料を収集して調査を行った。
 その結果、15~30歳の若者を明確に対象にした事業自体が少ないことに加え、学校から社会/職業への移行期にある若者を意識してくまれた講座はほとんどなかった。講座としては「達人と話そう『生き方入門』」(目黒区)などが存在してはいたものの、継続的な支援や他機関との連携を見通した事業というよりは単発の講座にとどまっているという状況であった。傾向としては、東京都の施策として「若者就業支援プロジェクト」「引きこもり等の若者の社会参加応援ネット」などの事業は行われているが、それらは労働・福祉の領域で「課題を抱えている」といわれる若者を対象としたものであり、社会教育行政のなかで若者への全体的な支援を行うものではなく、区の単独施策として行われているものもほとんど見受けられなかった。
 そのため、社会教育行政における移行期の若者の支援については、研究発表をするための十分な成果は得ることができなかった。
 この結果を受け、移行期の若者に焦点をあてた施策を福祉/生涯学習の分野でとっているイギリスのユースワークに着目し、そこでの支援についての文献を収集し、研究を開始した。今後は、ユースワーク研究を通じて移行期の若者の総合的な支援をすすめていくこととしたい。