表題番号:2008B-022 日付:2012/04/18
研究課題コンピュータによる日本人大学生英語学習者の読解語彙力の調査研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 教授 ストックウェル グレン ロバート
研究成果概要
 この研究では、日本人大学生英語学習者を対象にして、リーディングを通じてそれぞれの学習者の語彙力のプロフィールを作成し、学習者の不足している語彙をコンピュータと携帯電話などのモバイル・デバイスでのタスクで提供して、語彙力を向上していくことを目的とした。具体的に、日本人大学生英語学習者の語彙力の実態を調べた。方法として、実際にどの単語を知っているのか知らないのか調べられていないため、本研究に参加した学習者のプロフィールを作成し、具体的に調査した。結果的に、それぞれの学習者のプロフィール作成に成功することができ、大人数のクラスの中でも、学習の発達パターンを詳しく確認することができた。

 元々2年間で行う予定だったこの研究は特定課題に切り替わり1年間になったため、ライティングまで調査することはできなかった。しかし、もう一つの目標としていたモバイル・ラーニングについては詳しく調べることができた。モバイル・ラーニングは2つの論点から調べた。まず、学習者は、語彙の練習はパソコンまたは携帯電話のどちらを選ぶかを調査し、学習者の感想も聴取した。結果として、携帯電話だけを使うという学生は非常に少なかったが、モバイル・ラーニングを完全に拒む学生もほとんどいなかったことがわかった。全体的に携帯電話の使用が少なく、理由としてパケット料金のコストや画面の大きさが挙げられた。2つ目の論点は、携帯電話で語彙のタスクを行う際には、学習にどのような影響を及ぼしているかとのことだった。それぞれのタスクの使用時間や点数を調べたところ、携帯電話を使うことによって、パソコンよりほぼ2倍の時間がかかることが分かったが、タスクの点数にはほぼ影響がないことがわかった。時間のかかる理由は、画面が小さいため、設問が同時に見られないということもあったが、それより、携帯電話を外で利用することが多いので、周辺の環境に影響され、集中できないこともあることがわかった。