表題番号:2008B-018 日付:2009/03/24
研究課題オーストラリア先住民アボリジニの自己表象としての演劇・映画
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 教授 澤田 敬司
研究成果概要
  2008年8月から9月にかけて、モナッシュ大学よりフェローシップを得て、同大学National Centre for Australian Studiesに研究員として滞在した。同大学において、全二回にわたってTranslating Australian indigenous theatre into the Japanese language and into a Japanese performance context (Presented at Japanese Studies Centre, Monash University, September, 2008)と題する口頭発表を行った。また研究員としての研究活動の中でいくつかの先住民戯曲に関する資料を収集し、また、カンパニーBによる先住民演劇『イビヤン』の上演(ウェズリー・イノック演出)に関してフィールド・ワークを実施した。また、先住民劇作家ジェーン・ハリソンとのインタビューを実施した。このインタビュー内容については、今後論文化していく予定である。
 さらに、先住民劇作家・演出家ウェズリー・イノック作の『ブラック・メディア』の訳出作業を行った。この翻訳は日本演出者協会の編纂による『海外戯曲アンソロジー』に収録される。また同書の解説で、ウェズリー・イノック論を展開した。(同書は2009年4月れんが書房新社より刊行予定)
 映画に関しては、2009年、バズ・ラーマン監督『オーストラリア』が日本公開されたことにともない、いくつかの媒体で映像における先住民表象について、2本の論考を行った。これについては、映画『オーストラリア』における先住民表象についての論考を同作品劇場用パンフレットに(オーストラリア大使館公式ウェブサイトに転載予定)、また、ここ数年のオーストラリア映画作品における先住民表象についての論考を『キネマ旬報』に(同時にオーストラリア大使館公式ウェブサイトに転載)、それぞれ発表した。また、これらの成果を統合し、大幅な論考を加えた論文を、早稲田大学オーストラリア研究所編『オーストラリア研究:日本の多文化社会への提言』オセアニア出版社(近刊)に発表した。