表題番号:2007B-287 日付:2008/03/17
研究課題高性能動画像通信処理用SoC技術の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院情報生産システム研究科 准教授 池永 剛
研究成果概要
本特定課題プロジェクトのテーマである「高性能動画像通信処理用SoC技術」の確立を目指し、動画像圧縮SoC、無線通信処理SoCの2つの分野を中心に検討を行った。動画像圧縮SoCでは、最先端の動画圧縮国際標準であるH.264/AVCを対象とし、低電力並びに高性能(フルハイビジョン画像)を両立可能なエンコーダLSIの実現を目指し検討を進めた。特に多くの演算量を必要とする整数画素精度動き予測処理に対しては、周波数解析、背景解析、動きの特徴解析などにより余分な処理を低減可能なハードウェア向きアルゴリズム手法を考案した。また、ハード量削減が可能な差分絶対値和演算アーキテクチャや演算回路などを考案し、従来例と比較し優位性を確認した。さらに、通信路でエラーが生じた場合も画質を落とすことなく通信が可能となる新たなエラーコンシールメント手法を考案した。また、こられを発展させ、将来の放送応用を含め大きな市場が期待されるスーパーHDTV(7680x4320 at 60fps)を対象とした検討に着手した。無線通信処理SoCに関しては、ハイビジョンクラスの動画像通信が可能となる700Mbpsクラスの高スループットかつ高信頼を達成可能なベースバンド処理アーキテクチャの検討を進めた。最先端の誤り訂正処理であるLDPCと最先端の無線通信処理であるOFDM UWBを組み合わせた評価用ハードウェアシミュレータを構築し、その評価に基づくLSIアーキテクチャを考案した。さらには、UMC 0.13um CMOS(5mm角)のプロセス技術を用いLSIの第一次試作を行った。以上の取り組みは、相乗効果を出すため、現在推進中のグローバルCOEプログラム(アンビエントSoC教育研究の国際拠点)、CRESTや知的クラスタプロジェクトなどと密にリンクを取りながら推進した。