表題番号:2007B-268 日付:2008/11/17
研究課題外国人学齢期児童の補習教育場面での教科学習支援の検証
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院日本語教育研究科 教授 宮崎 里司
研究成果概要
本研究は、外国人児童・生徒の教科学習能力向上を前提とした基礎日本語能力の習得を、東京都墨田区と大学との連携事業の一環として位置づけ、地域の多文化共生社会への理解度を醸成し、その実現に寄与することを目的とする。具体的には、墨田区内で日本語指導教室の設置運営を目指すとともに、区教育委員会等に働きかけ、さらなる理解を得て、地域の区立小・中学校での日本語学級増設及び新設に向けた受け入れ態勢の充実と財政的援助基盤を構築することを目的とする。

現在墨田区には、初等、中等教育レベルに在籍する外国籍の生徒が、平成18年度現在、約280人在住しているにもかかわらず、日本語学級の常設校は、小学校レベルで一校(堤小学校)、中学校では、一般の中学生は入学できない、文花中学夜間学級が設置されているのみで、基礎日本語力を学習させる場の確保が課題となっている。こうした状況の下、日本語指導を望む関係者の要望に応えるため、申請者が管理する、言語習得研究室が中心となり、2004年から、上記の学校にボランティアとして大学院生を派遣しながら、実践活動を通して、日本語教育支援に携わってきたが、日本語力に問題を抱える学習者には、未だ十分対応しきれていない現状である。そうした中、時期を同じくして、墨田区内のボランティア団体によって、自主的に外国人生徒のための日本語学習教室を設置する機運が高まり、専門領域の立場から、今般のプロジェクトを通して、さらに、より強固な基盤形成をめざした。