表題番号:2007B-162 日付:2008/03/19
研究課題ケテンシリルN,O-アセタールの反応と反応成績体の構造変換
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 准教授 細川 誠二郎
研究成果概要
我々は既に、ポリケチド類に広く見られる纏まった大きさの構造が一挙に構築できる、ケテンシリルN,O-アセタールのビニローグ向山アルドール反応による遠隔不斉誘導法を開発している。本年度は本方法論を使って、リポキシゲナーゼ阻害剤テトラペタロンAやケモカイン受容体阻害作用を持ちAIDS治療薬として期待されているコクリオキノンAの合成研究を行った。テトラペタロンAにおいては、不斉炭素が集中する6-5員環を我々の遠隔不斉誘導法を使って効率的に構築した。また、コクリオキノンAは4環式骨格の左右に酸素官能基化された側鎖を含む構造を有するが、遠隔不斉誘導法により、側鎖の立体選択的構築に成功し、4つの環を含む骨格構築に成功した。
いずれも、遠隔不斉誘導法を全合成における不斉炭素構築に取り入れ、高立体選択的に炭素骨格を構築した。