表題番号:2007B-150 日付:2011/11/02
研究課題原始生命合成のための分子流体力学研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 内藤 健
研究成果概要
原始的な生命は、dnaやタンパク質の数は少なく、単純であると考えられるため、生命を維持するために必要な最小の分子数や最適限度必要な反応経路を思考実験・計算機実験・比較的単純な実験系で明らかにし、いくつかの論文や発表論文にまとめて公表した。また、原始生命のデータは少ないため、現存生命の多くのデータから外そうすることによる推測も重要である。このため、現代に生きる微生物から人間の脳にいたるまでの多くの既存のデータを調査した。その結果、dnaやタンパク質の構造に関する新たな知見を見出し、論文発表などを行った。加えて、アーヘン工科大学などの最近の生命研究についても調査を行い、さらに、多細胞生物の発生過程や脳の形態形成過程のメカニズムについて、いくつかの事項を明らかにすることができ、論文などで公表した。本研究の特徴は、従来の微視的な分子生物学・生命化学・バイオインフォマティクスとは一線をかくし、巨視的な立場から全体を見直して、新たな視点を提示した点にある。これらをもとにして、次年度の科研費の申請書も提出した。
また、上記の基礎研究を土台として、卒業研究・修士論文では、原始的生命に近いと言われる微生物を利用して、新たなバイオマス燃料の生成方法や環境改善技術の端緒をも見出した。これらを整理することによって、今後の更なる研究課題も見出すことができた。