表題番号:2007B-141 日付:2011/11/02
研究課題大規模映像センサーネットワークに向けた映像処理・配信・収集技術に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 甲藤 二郎
研究成果概要
映像センサーネットワークにおける映像処理技術、映像配信技術、ならびにその応用技術に関する検討を行った。

映像処理技術に関しては、互いに独立に符号化を行った複数枚の圧縮画像を、互いに位置合わせを行った上で重み加算することにより高画質化を図る(量子化誤差を減らす)方式を提案し、各種の成果発表を行った。この方式は、分散センサー環境において、複数のカメラが同時に撮影した圧縮画像から作成したパノラマ画像の高精細化や、一台のカメラが撮影した圧縮動画像の高画質化に適用可能である。この研究成果は、信号処理の分野で著名なIEEE ICASSP 2008にも採択され、2008年4月の成果発表を予定している。

映像配信技術に関しては、無線マルチホップ接続に適した輻輳制御方式の検討を行い、シミュレーションとLinux実装の併用による各種輻輳制御方式の比較検討を行ない、今後の研究開発に向けた問題点の整理を行った。また、本件とは別の研究成果として、シングルホップ接続を前提に、独自のRTT公平性とスループットの高効率性を実現する輻輳制御方式の成果発表を行っており、現在は、その方式のマルチホップ拡張の検討を進めている。

さらには以上の基盤技術の応用として、無線受信強度を用いた位置検出技術を併用した映像センサーアプリケーション、ならびに、無線受信強度を用いた混雑推定技術を併用した映像センサーアプリケーションを検討し、それぞれのプロトタイプ試作を行った。共にWeb2.0的な手法も取り入れ、各種センサーが取得した情報をサーバ上に集約し、その集約データに対して、リモートにユーザがアクセス可能なWebインタフェースを実装した。