表題番号:2007B-128 日付:2008/03/19
研究課題会話ロボットの利用に基づくパラ言語理解・生成機構の定量的モデル化に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 小林 哲則
(連携研究者) 高等研究所 助教 藤江 真也
研究成果概要
 これまでに開発したパラ言語情報の理解・表出機能を持つ音声会話ロボットを用いて,自然な音声会話コミュニケーションを成立させるために必要となるパラ言語情報の役割を定量的に明らかにすること試みた。
 我々人間は,会話的コミュニケーションにおいて,音声で言語情報を伝える傍らにおいて,会話参与の状態(情報を受け付ける状態にあるのかどうか,正常に情報を受け付けたかどうか,受けた情報をどのように評価しているのか等)を表情によって伝達しており,これが基礎となって円滑な情報交換が成立している。これらの情報は,パラ言語と呼ばれる情報の一部であるが,これらパラ言語の重要性を定性的に指摘する研究は存在するものの,これをどの程度厳格にモデル化すれば自然なコミュニケーションは成立するのかについて定量的に検討する試みはなされていない。
 そこで本研究では,特にターンテーキングの円滑化に係るロボットの表情表出動作として,視線表現を選定し,その定量的モデル化を試みた。一般に,ターンを渡すためには発話終了に合わせて聴取者に視線を向け,ターンを保持するためには視線をずらすとされている。表現のバリエーション(視線の外し方,合わせ方)およびその頻度,時間構造をパラメタとするモデルを作成し,種々のパラメタ設定でパラ言語情報を生成する会話ロボットと被験者の会話実験を行い,その自然性を評価した。この結果,自然な視線表現を実現するパラメータの関係式と,連続動作させるときのパラメタセットの組み合わせに関する知見が得られ,これに従って視線を動作させるとき,会話が自然に進行することを確認した。