表題番号:2007B-113 日付:2011/05/24
研究課題汎用2足歩行ロボットの福祉分野への応用研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 高西 淳夫
研究成果概要
現在進行中の研究の考察より,ハードウェアの問題点を抽出し,継続的に改良機の設計・開発を行った.具体的には,搭乗者の乗り降りに配慮した座面高さの低床化,負荷シミュレーションを用いたアクチュエータ配置の最適化計算とそれに基づく骨盤部の改良,多点接地型足部機構の改良などを行った.低床化に関しては,直動アクチュエータの最短長さを改良した新型直動アクチュエータの開発および乗り降り支援機構の開発を行った.負荷シミュレーションを用いたアクチュエータ配置の改善に関しては,より出力特性のよいアクチュエータの配置を最適化計算により決定し,これを実現する骨盤部の改良も行った.多点接地型足部機構に関しては,これまでに開発した,剛体平板足底では平面内に支持多角形を構成できない路面においても最大限の支持多角形を構成できる多点接地機構に加え,接地圧の低減を図れるように接地面積を多く取れる機構を開発した.
制御系に関しては以前からの歩行安定化制御に関する研究を継続し,主に実環境での搭乗者の運動による外乱下での歩行の安定化を目指しこのために,歩行中の搭乗者の運動による動的外乱と静的外乱の定量化,これらに対する安定化制御アルゴリズムを開発した.また,これまでに開発してきた実環境不整地歩行制御アルゴリズムとの統合を行い,最終的には運動する搭乗者を乗せた状態での不整地歩行を実現した.
またこれと並行して,ロボット開発・実証実験特区における屋外を含む実環境での人間の搭乗実験を継続的に行ってゆき,次年度に予定された福祉運用実験への予備実験とした.
研究設備としては,引き続き学内の研究室および福岡市内に整備した研究室を用いる.
また国際学会1回と国内学会1回においての研究発表を行った.