表題番号:2007B-053 日付:2013/05/16
研究課題メコン川下流平野(カンボジア)の地形と洪水、土地利用・水利用に関する統合的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教授 久保 純子
研究成果概要
 本研究は、モンスーンの影響で雨季と乾季の水文条件が大きく異なるメコン川下流平野において、空中写真判読と野外調査により微地形と表層地質の分布と特色を明らかにし、また、雨季と乾季両方の時期に現地調査をおこない、土地利用、水利用の季節サイクルに注目して、地形や水文環境との関係を考察した。その結果、微地形や水位季節変化に対応した稲作システムが展開され、持続的な土地利用が行われていることがわかった。
 また、カンボジアとその周辺に分布するアンコール期・プレアンコール期の遺跡についても地形・表層地質条件と当時の土地利用・水利用システムとの関係の考察を行った。本研究ではとくに7世紀~9世紀の都城とされるイシャナプラ(カンボジア、コンポントム州)を中心に、周辺の微地形条件、表層地質、水文条件の調査をおこない、当時の土地条件や水利システム、稲作などの生産施設の復元をめざし、微地形区分図の作成や簡易ボーリングを実施し、試料のC14年代測定を行った。