表題番号:2007B-018 日付:2008/03/21
研究課題日本法の「継受」と再継受―東アジア・日本・西欧の法の連鎖に関する比較総合的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 教授 戒能 通厚
研究成果概要
 比較法研究所では、科研費研究グループを組織して、「日本法の『継受』と再継受-東アジア・日本・西欧の法の連鎖に関する比較総合的研究」と題する共同研究で科研費の申請を行ったが、残念ながら採択には至らなかった。しかし、その構想については一定の評価を受けることができ、幸いにも特定課題研究助成費の支給を受けることができたので、この共同研究を方向付ける総論に関する初発の国際シンポジウムを開催することにより、研究計画のいっそうの具体化を図るとともに、一定の実績を得て、再度科研費申請の採択を期すこととした。
 この企画にはCOEとのジョイントにより資金援助を受けることができ、特定課題研究助成と合わせて、ほぼ当初予定通り、昨年12月に「グローバル化時代の法のターミノロジー」と題する国際シンポジウムを開催した。ここでは、イギリス、ドイツ、アメリカ、韓国、中国の研究者を招聘し、ヨーロッパ、アジアにおける法移植をめぐる諸問題について活発な討議を行った。これにより、従来計画してきた共同研究テーマに基づく方向性がかなりの程度まで明確になった。その成果は、2008年3月中にシンポジウム記録として比較法研究所から刊行される予定になっている。
 また、すでにこのシンポジウムによる成果をとりわけ各論的に発展させるべき研究として、「法の連鎖における日本法のアイデンティティ-西欧・日本・東アジア」と題する共同研究について科研費申請を行っている。
 以上により、特定課題研究助成費の趣旨に沿って十分な成果をあげることができたと考えている。