表題番号:2007A-927
日付:2008/03/24
研究課題Postactivation Potentiation のメカニズムを探る
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | スポーツ科学学術院 | 助手 | 宮本 直和 |
- 研究成果概要
- 【背景】最大随意収縮(MVC)後の電気刺激による単収縮張力(Pt)はMVC前と比べて増大し(Postactivation Potentiation: PAP)、PAPの程度は測定をおこなう関節角度の影響を受ける。本研究では、筋の電気的活動(M波振幅値)および機械的活動(MMG振幅値)に着目し、関節角度がPAPに与える影響について検討した。また、各関節角度におけるMVC発揮時のvoluntary activatio(VA)についても検討した。
【方法】被験者の足関節を0°、20°背屈位、20°底屈位で筋力測定装置に固定した。各足関節角度において10秒間の等尺性底屈MVC前、および直後から10分後まで定期的に超最大強度の電気刺激を脛骨神経に加え、足関節底屈Ptおよび下腿三頭筋各筋のM波振幅値とMMG振幅値を算出した。
【結果】各筋のM波振幅値はいずれの足関節角度においても大きな変化が見られなかった。一方、PtとMMG振幅値はMVC後で増加したが、20°底屈位におけるPtの増加率はMMG振幅値の増加率よりも顕著に大きかった。また、VAは関節角度間に有意な差は認められなかった。
【考察】本研究の結果は、PAPには各関節角度でのMVC発揮時のVAや単収縮時の筋の電気的活動の変化ではなく、筋の収縮特性の変化が大きく関与しているが、筋長が短い場合にはそれ以外の要因も介入する可能性を示唆するものである。