表題番号:2007A-005 日付:2008/03/25
研究課題戦略的推論の個人間差異が実験結果に及ぼす影響―視線測定器による新しい意志決定実験
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 教授 船木 由喜彦
研究成果概要
本研究の主たる研究活動は、オランダおよび日本において視線測定器を用いて実験を行うことである。視線測定器は、実験中の被験者の視線の動きを記録し、分析するための新型の機械であり、経済実験機器としては非常に高価なものである。この視線測定器を実験に用いて視線の移動のパターンを分析することにより、従来はほとんど不可能であった被験者の思考パターンの分析を試みている。

研究代表者の在外研究先の一つであるティルバーグ大学(4ヶ月)には視線測定器が4台あり、それを用いて本テーマに関する実験を3回(8月、10月、3月)行った。また、早稲田大学にも視線測定器が1台あり、それを用いた実験を1回(10月)行った。さらに、理論的な研究は、もっぱら、アムステルダム・フリー大学滞在期間中(8ヶ月)に進めた。上記の研究には、早稲田大学大学院経済学研究科博士課程院生竹内あい氏、ティルブルグ大学ヤン・ポッタース教授、経済学科博士課程院生ティン・ジィアン氏との熱心な議論を含む多大な協力がある。

これらの実験の結果、非常に興味深いデータが得られたが、データの分析方法にはまだ研究が必要であるが、多くの試みの結果、いくつかの分析方法が考案され、現在、それを元に分析を進めている。

これらの成果の一部は2007年10月に早稲田大学で開催された21COE-GLOPEのコンファレンスにおいても報告された。このような研究の成果を論文にまとめ、現在、国際雑誌に投稿中あるいは投稿準備中である。

上記以外に、マドリッド(スペイン)における国際学会SING3において関連研究の報告を行った。また、バスク地方大学(スペイン)、バルセロナ大学(スペイン)、ティルブルグ大学(オランダ)においても、セミナーにおいて、上記の関連研究の報告を行った。