表題番号:2006B-242
日付:2008/09/22
研究課題水泳が中高年女性の四肢及び体幹の筋・脂肪量と基礎代謝に及ぼす影響に関する縦断研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | スポーツ科学学術院 | 助手 | 薄井 澄誉子 |
- 研究成果概要
- 本研究は、43-75歳の41名の中高年女性を対象として、定期的かつ長期間の水泳トレーニングをしている人としていない人の四肢及び体幹の除脂肪量(FFM)・脂肪量(FM)と基礎代謝量(BMR)を縦断的に測定し比較検討することで水泳トレーニングの効果を検証することを目的とした。
体重および身体組成は、DXA法によって測定し、四肢及び体幹の除脂肪量と脂肪量を算出した。最大下酸素摂取量(VO2peak)は、トレッドミルを用い漸増負荷法により測定した。BMRは早朝空腹時に30分以上の仰臥位安静後、ダグラスバッグ法により10分間の呼気を2回採取し、質量分析計によって呼気を分析しBMRを求めた。
水泳トレーニング(T)群(n=26,年齢59.9±6.8歳,身長155.0±5.0cm,体重55.8±7.3kg,%fat 28.2±4.6%)と非トレーニング(UT)群(n=15,63.2±8.0歳,154.6±5.0cm,57.8±8.6kg,32.2±5.2%)において年齢、身長、体重およびFFMに有意な差はなかった。VO2peak は、UT群と比べT群において有意に高かった。全身の体脂肪率及びFMは、UT群よりもT群において有意に低かった。特に、四肢のFMにおいて、UT群よりもT群において有意に低かった。1年後の測定において全身および身体各部の組成やVO2peak に有意な変化はなかった。また、BMRにおいて2群間の相違は認められず、さらに1年後の測定値との間にも有意な差は認められなかった。
本研究の結果から、中高年女性の長期間の定期的な水泳トレーニングはFMの増加を抑制し、また、呼吸循環器系能力を維持することが示唆された。しかしながら、FFMやBMRに関連する大きな変化は認められなかったことも示された。