表題番号:2006B-215 日付:2008/05/26
研究課題子どもにおける身体活動・運動ガイドライン(行動目標)の作成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 教授 竹中 晃二
研究成果概要
 子どもを対象として作成される身体活動ガイドラインは,何を目的として作成されるかはガイドラインの内容そのものに影響を与える.スポーツや体育を中心とする現在の施策は,運動やスポーツを積極的に行っている子ども,また好きな子どもにとっては手厚いアプローチとなっているものの,行いたくない子どもに対する対応は十分とはいえない.そのため,身体活動ガイドラインの作成にあたっては,目的について慎重な議論が必要となる.たとえば,体力増強を前面に出されたガイドラインを作成することを目的とすると,強度や量が高すぎるために,運動を十分に行っていない,また行えないでいる子どもは実践をためらうことになる.政策的な配慮を行うとすると,体力よりはむしろ健康度を高め,それを維持するために必要な最小限の身体活動の質および量を示し,さらにいかに普及させるかについても様々な工夫を取りいれた内容が必要となる.本研究は,わが国の子どもに対する身体活動・運動ガイドラインを作成するために,まず諸外国において作成された身体活動ガイドラインのレビューを行った.その文献収集では,1)physical activity,2)guidelineまたはrecommendation,および3)childrenの用語を用い,さらに具体的な国名を追加した4つのキーワードを,検索サイト(yahooおよびgoogle)を用いて検索を行い,先進諸国におけるガイドラインの内容を解説した.米・英国,オーストラリア,ニュージーランドにおいては,1日総計して60分間の活動を推奨し,子どもの発達に適合した活動の奨励や,逆にコンピュータ,ゲームなどの座位中心活動に費やす時間の減少を求めていた.