表題番号:2006B-145 日付:2008/11/18
研究課題大規模分散ネットワーク情報の処理に関する基礎モデルの構築と特性解析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 松嶋 敏泰
研究成果概要
 ネットワーク上で分散して存在する膨大な情報をいかに処理するかは,今後ますます重要な問題となってくると考えられる.しかし,この分野では数理的基礎モデルが十分でなく,最適解や性能限界について議論がなされていないため,今後のこの分野における発展のための道標は明確とは言えない.
 そこで本研究では,ネットワーク分散情報の処理における,実システムを視野に入れた,この分野における基礎理論の構築を目指す.数理的基礎モデルの構築から実際のアルゴリズム・システム設計までの段階的研究アプローチの一環として,まず基礎モデルの構築と,最適解や理論的性能限界についての定式化を目的としていた.
大きくわけて以下の2つのステップに分けて研究を行った.
①ネットワーク上に分散した情報の伝送と決定・制御に関する多端子情報理論と統計的決定理論を用いた基礎モデルを構築し,構築したモデル上で各問題の目的に応じた評価関数を定義し,最適解や理論的性能限界についての定式化を行う.
②定式化した最適解またはその近似解を実現するアルゴリズムをグラフ上のメッセージ伝播アルゴリズム等を用いて設計し,その性能や計算量の評価を解析的・実験的に行う.