表題番号:2006B-126 日付:2007/04/27
研究課題マックスウェルーディラック方程式の連立化解法と電子波の非線形動力学
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 武田 京三郎
研究成果概要
本研究では、マックスウェル(Maxwell)方程式とディラック(Dirac)方程式を同時刻で連立化させ、さらに直接数値解法する事により、量子閉じ込め場内電子の波動性に基づく新奇な非線形現象をその時間発展とともに探索した。数値計算に当たっては両方程式を実時間・実空間差分で解法する事を試みた。また対象量子閉じ込め場としては角運動量がよい量子数となる量子リングを取り扱った。
外部磁場が印加された量子リング内電子の回転運動に伴う電流を円電流と近似し、誘起磁場を逐次計算により取り込んだ。その結果、電子回転が誘起する自発磁場は外部磁場に対して6%程度の増減を生じさせることが明らかとなった。このため、自己磁場補正を行うことにより、例えば角運動量期待値の状態間干渉に基づく振動現象に高次の周波数成分が重畳される。しかしながらその影響は外部磁場の数値的な増減に基づく補正として扱うことが可能であり、実質的に印加磁場を増減した時の固有状態として解析することが可能である。