表題番号:2006B-095
日付:2009/04/09
研究課題コンピュータウィルスのスケールフリーネットワークモデルによる最適コントロール問題
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
---|---|---|---|
(代表者) | 商学学術院 | 助教授 | 豊泉 洋 |
- 研究成果概要
- 発信源のPCで保存されているメールアドレスを検索し、このアドレスを経由して拡散していくメール型のウィルスを取り上げる。メール型ウィルスは、メールアドレスの相互保持関係を基盤にする仮想的なメールアドレス空間上のネットワークを自律的に移動し、繁殖する粒子としてモデル化することができる。また、メールアドレスネットワークは、よく知られた階層型や完全ランダムなネットワークと異なり、small world networkの一種として考えることができるスケールフリーネットワークとしてモデル化することが可能である。本研究では、実際のネットワーク上を移動するコンピュータウィルスの活動を観測することにより、逆にメールアドレスネットワークの特性とメール型ウィルスの拡散ダイナミックスをモデル化する方法を検討した。最終的には、観測データから感染において重要な役割を担うハブノード(スーパー感染源)の位置を推定し、これらのノードへ防御を集中することにより、スケールフリーネットワークの構造をアクティブに変化させ、従来とは比較にならないほど、効果的な防衛戦略が実現する方法を提案した。