表題番号:2006B-072 日付:2007/06/04
研究課題メデイアリテラシー能力向上による異文化理解推進 - 批判的言説能力育成を中心に
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教授 村田 久美子
研究成果概要
この研究では、メデイアリタラシー能力向上による異文化理解推進を、批判的言説能力の育成を中心に研究した。特に、異文化理解という視点に焦点を当てることによって、文化的前提、価値観の異なるものが、同じテキストを如何に異なって解釈しうるか、また、これが結果として異文化間の誤解等に繋がり得るということを、アンケート調査等により明らかにした。また、この過程で、クリテイカルという概念の異文化の視点からみた問題点に遭遇し、これを含んだCDAの可能性と問題点を探求する為に、CDAに民俗誌学的方法論を取り入れながら異文化コミュニケーションの視点で、研究をしているRon Scollon氏、及び、Suzie Scollon 氏を招聘、国内研究協力者の矢野安剛氏、Alison Stewart氏や、国内でCDA的視点を取り入れながら研究を行っている研究者他1名も招聘、2007年3月24日にシンポジウムを開き、集中的に意見交換をし、異文化理解の視点を取り入れた批判的言説分析の可能性を探り、今後の更なる発展へと繋げることができ、次年度以降の研究の準備をすると同時に、研究協力体制を強化した。
個人発表としては、このCDAにおけるクリテイカルの概念を探求した論文を、2006年7月のアイルランドでの社会言語学シンポジウムで発表した。この論文は現在、論文集の中で1章として刊行すべく、準備中である。また、文化的前提、価値観、知識の違いがテキストの解釈にどのような影響を及ぼすかをまとめた論文が2007年3月に国際学術誌に掲載された。