表題番号:2006B-038 日付:2007/04/09
研究課題知の構造変動に関する理論的・実証的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 教授 那須 壽
(連携研究者) 文学学術院 助手 河野憲一
(連携研究者) 文学学術院 助手 木村正人
研究成果概要
0)「大学の大衆化と情報社会化の進展に伴う<知の構造変動>の有り様を探る」というグランド・プランのもとに、本年度は、①先行研究の調査、②都内の主要大学の講義要綱(シラバス)の収集とその分析、に限定して研究を進めた。
1)先行研究調査:「知識社会学」「知識社会論」「情報社会論」などに関連する内外の文献を収集し、内容を検討しながら926件の文献リスト(書籍および学術論文)を作成し、また講義要綱(シラバス)と高等教育に関する26件の先行調査、19件の科研費報告書を確認し、内容を精査しながらリストを作成した。それらの先行研究について、現在、研究代表者、分担者、協力者が手分けして検討を進めている。
2)講義要綱(シラバス)の収集と分析:第一文学部社会学演習ⅢCを受講している学生の演習活動と連携しながら、早稲田大学7学部(第一文学部、教育学部、政治経済学部、法学部、商学部、社会科学部、人間科学部)、ならびに慶應義塾大学文学部、立教大学社会学部、法政大学社会学部、東洋大学社会学部、成蹊大学文学部、明治学院大学社会学部、一橋大学社会学部、千葉大学文学部の1965年以降(一部は学部創設の経緯などから1966年、1987年以降)の講義要綱を収集し、社会学関連科目についてデータベースを作成したうえで、たとえば記載事項と記載形式と記載文体の変遷、「社会学概論・原論」の内容の変遷、「連字符社会学」の開講状況の変遷、オムニバス授業の開講状況と内容の変遷、演習科目のテーマの変遷、指示されているテキスト、参考文献、社会学者名の変遷、などに関して、現在、研究代表者、分担者、協力者が分担しながら分析を進めている。
3)講義要綱の記載形式の変化からは、大学の在り方の変化が、また記載内容の変化からは、学知の在り方の変化が垣間見える。次年度以降、さらにデータの量を増やしながら、分析を精緻化していく予定である。