表題番号:2006B-002 日付:2007/03/24
研究課題アナログ動画面検索システムによる日中英非言語的表現手段の学習サイト開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 教授 砂岡 和子
(連携研究者) 北京大学・ソフトウエア&マイクロエレクトリック学院 専任講師 愈 敬松
(連携研究者) メディアネットワークセンター 客員講師(インストラクター) 藤田 真一
研究成果概要
早稻田大学・慶応大学湘南・北京大学・清華大学・韓国高麗大学の5大学学生による中国語と日本語による討論会のVHS一次動画資料を使い、母語話者と非母語話者とのミスコミュニケーションを検出、対照できるシステムの開発を行った。

今年度は言語行動と近隣関係にある身体言語〔bodylanguage〕、待遇表現〔politeness〕と、不自然なポーズやフィラー〔filler〕などの解析に絞って研究をおこなった。前半は分析トライアルを北京大学中文系と同大ソフトウエア&マイクロエレクトリック学院の学生に依頼し、DVD資料の聞きお越しとミスコミュニケーションの検出、誤用の分類判断を行い、その分析結果にしたがって、ミス分類基準の調整を繰り返した〔砂岡〕。

同時に編集用ツールの開発と修正を行い〔愈敬松、藤田〕、試行錯誤の結果、身体言語や待遇表現は母語話者による直感的判断を採用、ポーズやフィラーは音声自動波形表示ができる編集ツールを利用して、半自動的に抽出する方法を開発し〔愈敬松〕、人力軽減と判断の客観性と恒常性を確保する分析方法を見出した。

現在分析編集ツールELAN4-0をカスタマイズし、DVD Ripperなどのソフトと組み合わせて動画シーンのミスコミュニケーション分析試料の蓄積を進めている。半年後には第一期計30時間分の中国語口語ミスコミュニケーションコーパスを完成する。

本研究はまたヒューマンセキュリチイー保全のための異文化国際交流支援学習ツールであるため、研究期間中後半は、積極的に平和学や多言語交流の関連学会へ出席して論文発表を行い、平常の異文化コミュニケーションの重要性と学際研究の必要性を訴えた〔砂岡、愈敬松〕。今後は実用性ある学習用誤用シーン検索システムを構築し、Webでの公開を目指す。