表題番号:2006A-121 日付:2007/03/19
研究課題擬似過渡解析法に基づく大規模集積回路網の大域的求解法に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院情報生産システム研究科 教授 井上 靖秋
研究成果概要
1.研究の目的
 本研究では,擬似過渡解析法に基づく大規模集積回路網の大域的求解法を開発する.擬似過渡解析法に関する要素技術としては次のような点があげられる.
(1)解くべき直流回路に擬似的に挿入する擬似リアクタンスを含む擬似エレメント
(2)擬似エレメントの挿入箇所
(3)擬似エレメントの時間軸での制御
(4)擬似過渡解析のアルゴリズムの制御
 本研究では上述要素技術について研究して,今後のユビキタス時代に向けたアナログデジタル混載システムLSI(バイポーラ・CMOS回路)に有効で,より効率的で実現容易な解法と実施手法を開発し,更に,実用回路の解析に適用して,その有効性を検証し,幅広く実施可能な大域的求解法を確立することを目的とする.

2.研究成果概要
(1)時変素子を用いる擬似過渡解析法アルゴリズムの開発:
解くべき回路に擬似的に挿入するリアクタンスに加えて新たに時変抵抗を用いて発振の問題を解決し,擬似過渡解析法を大域的収束性を保証するアルゴリズムへと発展させる手法を開発した.
(2)回路シミュレータSPICEへの実装
提案手法を回路シミュレータSPICE上に効果的に実装する手法を検討し,擬似過渡解析法回路シミュレータプロトタイプ版を開発した.
(3)実用回路で有効性確認
プロトタイプ版回路シミュレータを実用回路の解析に適用し,提案手法の有効性を確認した.
(4)研究論文発表
論文誌1件,国際会議2件,国内会議(査読付)1件,研究会1件,特許出願1件.このほかに,論文誌に1件投稿中.