表題番号:2006A-023 日付:2007/02/28
研究課題多変量解析手法に対する文科系学生のための教授法の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 教授 豊田 秀樹
(連携研究者) メディアネットワークセンター 助手 齋藤朗宏
(連携研究者) 文学学術院 助手 室橋弘人
研究成果概要
経済学・経営学・心理学・社会学等,人文科学系の研究・実践に携わる人々を対象とした,多変量解析手法の教授法開発の試みは,成果物①,成果物②,成果物③に収斂した.
成果物①:POSデータや,Web調査データによって表現されるビジネスデータの分析を通じて,人文科学系の領域で広く利用される多変量解析手法を,数式を多用しない平易な解説で,説明している.これを列記すると下記の28手法となった.構造方程式モデリング・独立成分分析・潜在混合分析・一対比較法・主成分分析・コンジョイント分析・アソシエーションルール・生存時間分析・決定木・ベイジアンネット・ニューラルネットワーク・多項ロジットモデル・AHP・遺伝ACEモデル・集団AHPとGAS・ISM・自己組織化マップ・クラスター分析・多次元尺度法・コレスポンデンス分析・探索的ポジショニング分析・グラフィカルモデリング・傾向スコアによる重み付け補正法・ロジスティック回帰分析・項目反応理論・一般化可能性理論・時系列分析・ポアソン回帰分析.
いずれも,人文科学系の研究・実践領域において,その重要性が認識されているが,統計学的準備のない研究者にとっては敷居が高いと考えられている手法である.全ての手法について,実際のビジネスデータへの適用例が示されており,その適用によって,実質科学的にどのような意味のある結論が得られるのかが,最低限必要な統計用語のみを用いて,丁寧に説明されている.
成果物②:上述した多変量解析手法群の内,特に心理学に関連する基礎研究領域において頻繁に利用される手法(分散分析,因子分析,回帰分析)の,統計ソフトウエアによる具体的な実行法を,プログラム例を示しながら説明した.またソフトウエアは,無料でオープンソースという形態をとり,その分析精度・汎用性から高く評価されている,統計解析環境Rを利用した.Rにおけるデータハンドリングの手法についても,詳細な説明がなされた.
成果物③:上述した多変量解析手法群の内,特に最新の心理統計モデル(共分散構造分析・階層線形モデル・項目反応理論・ニューラルネットワーク)の,統計ソフトウエアRによる具体的な実行法を,プログラム例を示しながら説明した.