表題番号:2006A-008 日付:2007/03/26
研究課題立法・改正の最新動向の研究を中心とするフランス法の総合的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 教授 中村 紘一
研究成果概要
 本研究はTJ研究会と早仏研究会の両研究会を母体としているが、研究期間中は、《Lexique des termes juridiques》の用語の翻訳作業を引き続き行い、また、研究会による検討をもとに下記の立法紹介を発表した。
用語の検討作業については、本研究期間以前には、法律各分野のうち社会保障法・刑法・刑事訴訟法の新規項目の検討が残されていた。本研究期間中は、まずこれらの検討を順次進め、ほぼその検討を終了した。また、それと並行して、変更項目の未検討部分の研究も進めた。本研究期間後も研究会の毎週の開催を予定しているので、2007年度前半にはすべての項目の検討を終えて3版の出版作業に移る予定である。本研究は14版の翻訳作業であるが、本研究期間の後半には、最新版である15版の用語との比較対照も行い、より最新の立法動向を把握することにも努めた。
 立法研究については、研究課題のうち商法(ガバナンス)について、比較法学誌上に立法紹介を発表した(「フランスにおける法定監査人の独立性の強化」比較法学40巻2号、この論稿は、2003年の金融安全法(商法)にもとづき公表された会計監査役の倫理規程の制定過程と規程の内容を紹介したものである)。また、前述のように15版の用語を含めた検討を始めたことにより、民事法・商事法だけでなく、刑事法、社会保障法、司法組織法等の分野における立法の状況も把握することができた。研究会では、これらの法分野も研究課題に加え、フランス国内の事情だけではなくEU法の観点および国際化の観点など、総合的な視点からの検討を継続して行った。