表題番号:2005B-352 日付:2009/05/04
研究課題近距離可視光ポイント高速通信システムの実用化研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院国際情報通信研究科 教授 松本 充司
(連携研究者) 国際情報通信研究センター 客員研究員 鈴木 敏司
(連携研究者) 国際情報通信研究センター 客員研究員 吉田 靖幸
研究成果概要
 本研究の目的は約1m位の範囲を通信エリアとする近距離光無線通信としては,最近デジタルカメラや携帯電話に導入されている赤外線を使ったIrDA(Infrared Data Association)が規格化したものが使われている.しかしながら,赤外線は視覚的に捉えることが出来ないためマンマシン・インタフェースとしては限定された使い方となる.最近,青色LEDやLDが開発されたことから,半導体における白色光源が利用できるようになった.白色光やフルカラーの可視光は視認することが出来ることから多彩なマンマシン・インタフェースを提供できる可能性を有している.これらのLEDやLDは簡単に変調をかけることが可能であり,照明用光源やディスプレイの画素としての利用に加えて,光無線用光源としての可能性に期待が集まっている.また,可視光通信は目に見えることから光軸合せ等も視覚的に捉えて行うことができ,優れたマンマシン・インタフェースを提供できる.
 しかし,可視光通信で利用することを目的としたLEDやLDの開発はまだ本格に着手されておらず,現在はまだ白色光通信の基本特性について検討を開始したばかりであり,白色光特性ではまだまだ超高速通信の域に達していないが,光はRGBの三原色にも分解でき,これらを組み合わせれば高速通信の可能性が向上する.
 このため,本研究では,既存の赤外線通信プロトコルの基本検討を行い,赤外線の高速高信頼化および可視光線通信との相互接続のための問題点を明らかにし,ついで基礎特性測定として送受光素子の測定を行い,システムの基本動作検証のデータを測定した.このデータを基に,IrDA通信のスループットをシミュレーションにより求めた.更に,理論検討によりシステムとしての性能限界,外乱光の影響等を算出し,測定データとの比較検証を行った.プロトコルの検討では,IrDAのプロトコルを基本に可視光通信に必要な機能の実装を図った.