表題番号:2005B-347 日付:2006/03/27
研究課題ビジネスでの創造性に関する、人間性の心理学および呼吸等フィジカル面からの理論構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院アジア太平洋研究科 助教授 東出 浩教
研究成果概要
本年度の経緯・成果に関しては、当初予定とは若干異なった展開にはなっているが、以下のようにまとめることが出来る。
(1)先行研究の調査に関しては、当初予定通り、個人の“通常の”パフォーマンス可動範囲内での最大化に関連する研究という枠を越え、”通常のパフォーマンスを超えた”個人の創造性発揮のためのモデル作成に資する範囲で実施してきた。キーワードとしては、自己実現の瞬間と考えられるピーク・パフォーマンス(個人の通常のパフォーマンスを超えた人間の力の完全活用:Privette, 1983)、ピーク・エクスピアレンス(人生で最も嬉しく幸せな至福の瞬間:Maslow, 1962)、およびフロー(行動の動機付けとなる経験であり、人間のパフォーマンスと感情を結びつける概念:Csikszentmihalyi, 1975a)という3つのコンセプトも依然重要な位置を占めている。しかし、以下で述べるようにKEYSという価値のある指標が利用可能となったことから、KEYSを独立変数としたモデルを想定した場合の従属変数の選択という視点においても、先行研究の調査を実施した。
(2)当初予定では、grounded theoryのアプローチにより、対象研究範囲において、新たな理論的変数を見いだすプロセスから始める予定であった。しかしながら、当初は18年度に予定していたサーベイに使用を想定していたHarvard大学Amabile教授の開発した“KEYS”というsurvey inventoryが、本年度より使用準備開始可能となったため、本年度において、KEYSを信頼性・妥当性確保のため、double-back translation methodにて翻訳を完了した。