表題番号:2005B-324 日付:2008/11/05
研究課題クラブスポーツの源流から探求するクラブの指導的人材育成環境整備に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 助教授 堀野 博幸
研究成果概要
日本では,地域総合型スポーツクラブやサッカーのJクラブなどを中心に,クラブスポーツ育成に一定の成果が認められる。しかし,スポーツ現場では,学校施設などの利用制限や既存のスポーツ団体との軋轢など,改善を要する課題に直面している。日本におけるクラブスポーツ発展の停滞要因となる課題として,クラブに関わる者(子供,保護者,指導者,マネージャーなど)とクラブ周辺を取り巻く者(学校関係者,他クラブ関係者,地域住民など)との間に,クラブスポーツに対する意識の乖離が考えられる。現状の課題を改善するためには,クラブ運営のための優れた理念だけでなく,クラブスポーツの文化的な定着を志向することが求められている。加えて,文化的な定着には,男性のみならず,女性のクラブに対する積極的関与が必要不可欠となる。そのため,本研究では、クラブスポーツが古くから定着している英国のクラブシステムと、日本のクラブシステムを検討することを目的として研究を行った。

 日本のクラブスポーツの現状と課題を精査するため,スポーツによる社会貢献を企図したNPO法人に介入研究を行った。また、介入調査したクラブと類似環境にある欧州クラブについて,下記に示す比較調査を行った。「人的資産の育成と確保」の観点から,日英の運営環境を分析し、課題抽出を行った。
・指導者へのインタビュー調査
・クラブ会員へのインタビュー調査およびアンケート調査(日本のみ)
・運営スタッフへのインタビュー調査

 その結果、以下のような課題が具現化した。
・指導者のリクルートシステム
・若年指導者の育成プログラム
・教育機関との連携
・マネジメントスタッフの確保

 上記の課題に関する改善策を策定し、本格的介入研究を進めることが今後の課題となる。