表題番号:2005B-323 日付:2006/03/18
研究課題神経・心理症状の客観化による脳震盪後症状の評価とスポーツ復帰時期の決定
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 助教授 鳥居 俊
研究成果概要
 脳震盪は症状による重症度分類がなされているものの、客観的に評価を行う方法が確立していない。そこで、大学生アメリカンフットボール選手を対象に客観的評価の方法を確立するために2つの方法を採用し、計測した。一つはアメリカで実施されているSACテストを日本語訳したものであり、認知機能の評価方法である。もう一つはバランスエラーテスト(BESS)であり、脳、内耳機能の影響を評価する方法である。競技シーズン前にベースライン計測を行い、脳震盪発生時に計測を実施した。また、多くの例で数回反復計測を行った。脳震盪の発生により両テストともに低下が見られ、これらのテストによる検出が可能であった。両テストの点数の間に相関も見られた。また、回復までの過程は個人差が大きく一定の傾向が見られるわけではないが、一般にBESSの方が高感度であった。
 以上より、2つの方法と自覚症状、診察所見を総合的に判断することで、より客観的な脳震盪の評価が可能になると考えられた。