表題番号:2005B-322 日付:2006/11/17
研究課題発育期の身体活動が骨量・骨密度変化に及ぼす効果に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 助教授 鳥居 俊
研究成果概要
 発育のもっとも盛んな中学生を対象に2つの縦断研究を実施した。超音波骨評価装置を用いた大学近隣の中学校の全生徒を対象とした研究では、最大身長増加時期を含む1年あまりの間に骨密度の増加が停滞する時期が見出され、その時期には身体活動の効果が見られなかった。しかし、その前においても、後においても身体活動は骨評価値をより増加させる効果が見られた。特に女子では身体活動の習慣がないと骨評価値の増加がわずかになる(体格補正すると消失する)のに対し、身体活動習慣を有すると増加が続いた。
 中学生サッカークラブ所属の男子選手を対象にDXA法を用いて縦断計測した結果から、中学生期には下肢と体幹の骨の増加が著しく、骨年齢と成人比の骨密度が相関することも見出された。身体活動を活発に実施していても、発育が遅く最大身長増加時期に到っていない者では骨密度が低く、骨密度の増加が少ない。一方、最大身長増加時期以後の者では筋量、骨量が平行して増加していた。