表題番号:2005B-314 日付:2006/03/22
研究課題「家庭で出来る年齢別体力別筋力向上プログラム」の作成:ホーム貯筋術の提案
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 教授 福永 哲夫
(連携研究者) スポーツ科学学術院 教授 川上泰雄
(連携研究者) スポーツ科学学術院 助手 竹下香寿美
研究成果概要
本研究は,日常生活において簡単に実施可能な自体重を用いた筋力トレーニングに着目した.自体重を用いたトレーニング動作を行っているときの各筋の筋活動水準を表面筋電図法により定量することを目的とした.
被検者は,66歳から73歳の男性2名及び女性8名であった.被検者には,腹直筋,大腿前部および下腿後部を鍛えることを目的としたトレーニング動作を行わせた.また,体幹筋群及び下肢筋群の最大努力による静的最大随意収縮を行った.トレーニング動作中,8chの携帯型筋電計(Muscle Tester ME-6000,MEGA Electronics Ltd,Finland)を用いて,双極誘導により表面筋電図を導出した.被検筋は,腹直筋(RA),脊柱起立筋(ES),内側広筋(VM),大腿直筋(RF),外側広筋(VL),大腿二頭筋(BF),前脛骨筋(TA),腓腹筋内側頭(MG)の8筋とした.筋電図データは,MVC時の筋活動水準を100%として正規化した.膝伸展・屈曲動作を除くトレーニング動作において,被検筋の活動水準は40%MVCEMG以上であった.このことから,本研究で実施した各トレーニング動作は,加齢の影響を受けやすいとされる腹部,大腿前部の筋に対し,有効なトレーニング刺激となることが推察された.特に,上体起こし動作,椅子の座り立ち及び股関節屈曲動作は,日常生活に密接に関連する動作であり,これらの動作を用いたトレーニングの実施によって,日常生活をより容易に行うことができる可能性が考えられる.