表題番号:2005B-311 日付:2006/03/22
研究課題ローテーターカフ筋強化のための実用的トレーニングマシンの研究開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 教授 加藤 清忠
(連携研究者) スポーツ科学学術院 助教授 岡田 純一
(連携研究者) スポーツ科学学術院 非常勤講師 長谷川 伸
研究成果概要
本研究ではトレーニングマシンを使用して肩関節回旋腱板筋のトレーニングを行う際に用いる負荷について、回旋腱板筋に高い活動が見られ、他の肩関節周囲筋の代償作用がみられない負荷量をトレーニング実施者の筋力レベルに合わせて設定する方法について検討し、肩関節回旋筋のエクササイズに特化したトレーニングマシンを作成することを目的とした。
実験には肩関節回旋腱板筋のエクササイズを行うため試作したウエイトスタック式トレーニングマシン(ウエサカ ティー・イー社製)を用いて、等尺性外旋筋力を基準とした3段階の負荷(10%、20%、30%)と3段階の運動速度(90度の運動域に対して1秒、2秒、3秒の各試行)によるエクササイズを実施し、棘下筋、三角筋後部、僧帽筋中部より筋電図を導出した。
その結果、棘下筋、三角筋後部、僧帽筋中部の筋活動量は負荷量のちがいによる差は認められたが(p<0.01-0.001)、運動速度間の差は見られなかった。また、運動速度に関わりなく筋活動量が21%MVC以上の「適度な活動」を示す負荷量は棘下筋、僧帽筋では等尺性最大トルクの20%以上、三角筋後部では30%以上であった。
同負荷は本研究の被験者の平均値では20%が4.1±0.7Nmであることから、三角筋の筋活動を高めることなく、棘下筋に高い筋活動をもたらす負荷を満たすには2.7~5.5Nm(平均値±2SD)の負荷量が必要と考えられることから、これらの負荷量を満たし、かつ0.04Nm刻みで細かな負荷設定が可能なウエイトスタック式トレーニングマシンを作成した。