表題番号:2005B-199 日付:2006/02/14
研究課題水平フランクチャーを利用した広域加熱法によるメタンハイドレート貯留層開発経済検討
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 森田 信男
研究成果概要
現在メタンハイドレート層の生産法には、安全であるが生産性が極度に悪い減圧法と、経済的生産性は見込めるが気化したガスの移動により地盤の不安定化をもたらす可能性のある加熱法が主流である。従来の加熱法の欠点は熱効率を高めるためハイドレート層に直接熱水・蒸気を圧入するものであった。しかし従来の方法では局所的にハイドレートをガス化し地層の不安定化を招き、またハイドレート層が水没する生産障害を引き起こす。ガス層に水が過剰に注入されると貯留層内のガスに対する相対浸透率が低下するという障害のほか坑井にかなりの水頭圧がかかり水をくみ上げる速度に限界があるためガス生産量が極度に低下する。ハイドレート層に対する圧入井は流体を圧入するのではなくハイドレートを分解するに要する熱量を供給することにある。岩石は熱に対して絶縁体であるが、広域な表面から熱を送れば、移流による熱供給なしで拡散のみによる熱供給が可能となる。この研究では加熱法に安全性をもたせた意図的に目詰まりさせた水平フラクチャーを利用する広域加熱法技術の(1)モデルスタディ、(2)経済検討、を行った。この研究では泥水を使用したフラクチャーの挙動解析、生産量が一坑井あたり1mmscf/day程度のメタンハイドレートの大まかな経済解析、また現実的に一坑井あたり1mmscf/day程度が生産可能かの、ハイドレート貯留層モデルの開発を行った。結果としてモデルスタディは進行中であるが経済検討は非常によくできているので今年度の石油技術協会で発表の予定である。