表題番号:2005B-144 日付:2010/05/07
研究課題層状ポリケイ酸塩構造を基盤とした段階的アプローチによるナノ細孔シリカの創製
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 黒田 一幸
研究成果概要
層状ケイ酸塩オクトシリケートの層間に有機アンモニウムイオンをインターカレートし、それを中間体としてジアルコキシジクロロシラン類で層間のSiOH基を修飾することに成功した。29Si固体NMR、元素分析、熱分析などの手段を活用し、層間でのシリル基の配列について調べ、層状オクトシリケートが有する層表面結晶構造に由来する規則的な修飾を明らかにした。この方法により、新たな二次元系層状ケイ酸塩の設計が可能であることを初めて明らかにしたものである。また、修飾体のアルコキシド基の加水分解と形成するシラノール基の縮合反応を利用して、層間架橋による三次元化と新たな細孔形成の可能性を明らかにできた。さらに、層間を連結可能なシリル化剤を反応させることで、親水・疎水性能を制御可能なことも新たに明らかにした。この方法は種々の層状ケイ酸塩に適用可能であり、マガディアイト、ケニアアイトなどへも展開できる。