表題番号:2005B-118 日付:2006/03/10
研究課題アジアにおける日・米・欧のサービス・マルチナショナルズに関する総合研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 教授 江夏 健一
(連携研究者) 商学学術院 教授 坂野 友昭
(連携研究者) 社会科学総合学術院 教授 長谷川 信次
(連携研究者) 商学部 助手 竹之内 玲子
研究成果概要
 本研究課題では、アジアにおける日・米・欧のサービス・マルチナショナルズの経営行動を、理論的・実証的に分析を行った。具体的には、流通業および消費者信用業のアジアでの戦略および組織の現状(江夏・坂野)、サービス・マルチナショナルズのアジア進出およびアジアにおける競争優位の源泉の理論的解釈(長谷川・竹之内)が行われた。最終的に江夏が理論と実証両面から総括し、今後の研究の方向性について考察を加えた。また、学外の研究者および実務者を招聘し、サービス・マルチナショナルズに関する意見交換を行った。
 業界研究では、流通業と消費者信用業の補完関係、およびアジアにおける消費者信用業の成長を促進するこれまでの戦略展開の現状が明らかとなった。理論研究では、前回の特定課題(21世紀グローカル知価社会とサービス・マルチナショナルズの総合研究)からの継続として、伝統的な多国籍企業の理論だけでなく、メタ・ナショナル理論の適用を試みた。
 本研究課題は、サービス・マルチナショナルズという新たな研究対象に注目していることもあり、試論的な性格の強い研究であった。そのため残された課題も多い。理論的考察では、仮説設定の段階に留まっており、今後フィールド・リサーチを通じて仮説を修正し、最終的には大規模サンプルによる定量分析につなげる必要がある。業界研究では、研究対象となる業界の範囲を拡張し、より普遍性のあるモデルの構築を目指す必要がある。