表題番号:2005B-097 日付:2006/03/23
研究課題島原天草一揆と潜伏キリシタンを素材とした民衆運動における暴力・非暴力の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 専任講師 大橋 幸泰
研究成果概要
 本研究は、昨年度の特定課題研究「島原天草一揆の基礎的研究」を継承し、武力蜂起したキリシタンをめぐる問題(島原天草一揆)とともに潜伏を貫いたキリシタンをめぐる問題(潜伏キリシタン)を材料に、民衆運動における暴力・非暴力の論理を考えようというものである。研究を進める中で、特に近世後期においては、キリシタンと民間信仰・流行神や仏教各宗派の「異流」などとの区別が困難になっていたことが判明したため、検討材料としてはキリシタンばかりでなく、異端的な宗教活動全般を横断的に検討する必要があると考え、史料・文献とも幅広く蒐集に努めた。
 本研究予算でカラーレーザープリンターを購入し、昨年来九州各地を中心に蒐集した史料をそのプリンターを使って焼き付け、製本の上、史料解読を行った。また、島原天草一揆のほか、潜伏キリシタンや異端的宗教活動の関係文献を購入した。
 これらの成果として、客員研究員を勤める中央大学人文科学研究所の研究会チーム「カトリックと文化」の例会で、「島原天草一揆研究の現状と課題」と題する報告を2005年12月に行った。本年度中に発表した論考は以下の通りであるが、島原天草一揆に関する著書をまとめる計画を持っており、近いうちに本研究の成果の一端を公表できると考えている。