表題番号:2005B-055 日付:2006/04/19
研究課題空間認知体系に基づくデータベースの構築とその応用に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 教授 楊 達
研究成果概要
研究においてはあらゆる語彙を空間認知体系に基づく階層構造により格納し、それぞれの語彙に対し、認知体系に基づく属性を設定したデータベースについて考案し、試作するものである。2005年度ではその過程を証明するために数回の実験を行った。
第一回目の実験は中国語を履修している学生を被験者に行なわれた。実験は三種類の単語の羅列を5項目作り出し、そのうち一つだけを空欄にし、空欄に被験者がどのような語を書き入れるのかを観察するものである。羅列の種類による語彙選択の変化、およびそれかかる時間を測定した。
羅列の方法の一つは本研究によって仮定された体系を縦軸に従って、連続して配置するものである。第2の羅列の方法は本研究によって仮定された体系を横軸に従って、連続して配置したものである。第3の羅列方法は本研究によって仮定された体系を意識的に従わないで、ランダムに単語を5項目に羅列したものである。
実験の結果、第一の羅列方法は他の二つの方法より、書き込みに必要な時間が短く、また書き込む単語はほとんど同一のものであった。つまり、羅列されている単語に被験者の記憶体系が刺激されて、活性化し、それによって、同一の語彙が選ばれたのではないかと想像される。本結果は実験開始時に予想されたものであり、本研究に関わる仮定は正しいものであることを証明するものであると考える。
今後は以上の実験結果を踏まえて、語彙データベースを拡大して,インターネットを利用した辞書を製作する。現在の語彙数は1000であるが、次年度はは10万に向けて開発を続けたい。