表題番号:2005B-036 日付:2006/03/22
研究課題シルクロード、ステップルート・オアシスルートの生態考古学による比較研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 教授 岡内 三眞
研究成果概要
 4月28日から5月8日の期間、新疆ウイグル自治区タクラマカン砂漠東縁部の遺跡踏査を行った。踏査した遺跡は尉犁県営盤遺跡、若羌県米蘭遺跡、且末県ザーホンルック遺跡などの故城址、寺院址墓地などである。これらの遺跡は日頃訪れることが難しいロケーションに位置するが、新疆文物考古研究所の協力の下に、貴重なデータや資料を収集することができた。
 8月後半には新疆ウイグル自治区吐魯番市において開催された『第二届吐魯番学国際学術検討会』に参加し、研究員による成果報告を行った。
 また、8月下旬から9月上旬、新疆西部のカシュガル市および西北部にあたる巴楚市周辺の遺跡踏査を行った。カシュガル地区文物局・巴楚市文管所の協力のもとトクズサライ故城・寺院址をはじめとした多くの遺跡を訪れた。これらの遺跡に関しては詳細な報告がなされておらず、正確な位置やその様相も不明であった。今回の踏査によってGPSにより位置を把握し、また遺構や採集遺物の検討により、遺跡の性格について考えるデータを多数、収集することができた。
 昨年度から西北地域での調査とともに、遼寧式銅剣関連の調査を行っている。遼寧式銅剣は、中国東北地方から朝鮮半島にかけて分布する特徴的な銅剣のひとつである。日本の弥生時代の年代決定のため、中国、朝鮮半島との交差編年を行う上で重要な資料である。本年度は9月に中国東北部の内蒙古自治区赤峰市を訪れ、赤峰市博物館、寧城博物館の協力のもと、小黒石溝遺跡、南山根遺跡をはじめとした銅剣をはじめとした青銅器や土器、石器などの調査を行った。