表題番号:2005B-014 日付:2006/03/19
研究課題沖縄開発庁とその沖縄振興開発政策の検証
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 教授 江上 能義
(連携研究者) 琉球大学法文学部兼法科大学院 教授 仲地 博
(連携研究者) 琉球大学教育学部 助教授 島袋 純
研究成果概要
 1972(昭和47)年5月、沖縄の日本復帰とともに誕生し、2001(平成13)年に幕を閉じた沖縄開発庁およびその沖縄振興開発施策に関する初の本格的な沖縄研究グループとの共同研究として、昨年度に引き続き、東京と沖縄で沖縄開発庁に密接な関連のあるキー・パーソンに面接調査を実施した。面接調査に加わった沖縄側の研究分担者は、仲地博琉球大学法文学部長兼法科大学院教授および島袋純琉球大学教育学部助教授の2名であり、かつ沖縄の政治に学識の深い眞板恵夫氏が収録作業に従事した。
 東京では、沖縄開発庁の終盤に総務局長の要職を務めた嘉手川勇氏(13代)、玉城一夫氏(14代)、榊 誠氏(15代)の3名に、沖縄では、琉球政府、米民政府、沖縄開発庁、沖縄県庁(副知事)、沖縄電力と多彩な経歴の持ち主である座喜味彪好氏に2回にわたってインタビューを実施することができた。歴代総務局長の3名には、とくに沖縄開発庁の組織運営と振興開発政策の実施および沖縄開発庁廃止についての動向等について、座喜味氏には、とくに彼が在籍したさまざまな政府機関の状況と関係および戦後沖縄の振興開発政策等について実務者としての貴重な証言を得ることができた。
 これらの貴重な証言は全て、昨年度に引き続き、2006年3月に刊行した『沖縄開発庁の検証 オーラル・ヒストリー(2)』に収録した。また4氏からは、『沖縄開発庁20年史』をはじめ貴重な資料や文献の協力を得ることができた。その他に、東京と沖縄の両地の機関・大学・図書館でも資料や文献の収集作業を行なった。昨年度に続く本年度に実施したオーラル・ヒストリーおよび収集した資料や文献が今後の沖縄開発庁およびその振興開発政策の検証にきわめて有用となろう。