表題番号:2005A-921 日付:2006/02/13
研究課題視覚誘発電位の時間周波数解析による色覚特性の短時間計測法の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 助教授 百瀬 桂子
研究成果概要
誰もが見やすい色表示を提供するためには、さまざまな視覚条件における色感度を把握する必要がある。色感度は自覚的な応答であるが、色表示への応用などのためには、他覚的な検出法を用いて、定量的にとらえる必要がある。我々は先に、他覚的に人の色弁別閾を測定する手法として、視覚誘発電位(VEP: Visual Evoked Potential)を用いた方法を2色型色覚に適用して有効性を確認した。さらに、得られた色弁別閾が、心理物理的手法により得られたものと相関があることを確認した。本研究では、より明瞭な色弁別閾の検出のために、提案手法で測定されたVEPに、wavelet変換を適用して得られる時間周波数分布を検討した。
色覚健常者および第二色盲者を対象とし、等輝度正弦波縞反転刺激(10秒)において、色度コントラストを100%から0%に変化させたときの脳波を記録した。この脳波に複素Morletウエーブレットを用いたウエーブレット変換を適用した結果、時間周波数分布がより明瞭なVEPを確認できた。さらに、正弦波縞の空間周波数および反転周波数を変化させることにより、本手法が色覚の時空間周波数特性の計測に有効であることが示唆された。