表題番号:2005A-873 日付:2006/06/06
研究課題グラフィックスハードウエアを用いた有限要素法の高度化に関する検討
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 助教授 宮下 朋之
研究成果概要
本研究は,従来はコンピュータの中央演算装置(CPU)が担っていた計算機能の一部をグラフィックハードウエア(GPU)を活用し計算効率を向上させることを目的としている.特に,構造解析問題を対象とし,与えられた荷重・境界条件より,2次元応力場における基礎式を充足する解を導出することになる.本研究では,この基礎式を満足するための計算法としてセルオートマトン理論を利用し,GPUで計算を可能とするデータ構造を提案し,実際に計算実験を行った.構造形態を示すデータは,その形状を表す画像データとして与え,その画像に境界条件,荷重条件を示す特異な画像を挿入することにより計算が可能となり,画像取得にはデジタルカメラなどの映像機器の利用が可能であることから利便性を有するものである.さらに,構造形状を決定するために従来より用いられている最適設計法の検討を試み,学会発表を行った.一方で,ハードウエアによる計算時間の短縮は近年のCPUの計算速度の向上に伴うことが考慮されるが,わずかながらの向上にとどまっている.一方で,3次元データへの拡張を試みた.ここでは,MRIで取得される積層画像を対象として,計算可能とするデータ構造を考案した.実装するにあたり,動的問題への拡張への必要性を認識し,その点を考慮しデータ構造を考案した.この部分に関しては,現在,計算実験中であり,その成果が得られ次第に発表を行う予定である.