表題番号:2005A-005 日付:2006/03/29
研究課題政治経済実験による新しい制度選択の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 教授 船木 由喜彦
研究成果概要
本研究は、科学研究費補助金の研究「開かれた制度における協力関係の形成と維持」と連携し、また、21COE-GLOPEの実験研究を補完する研究である。研究期間の間に、6回以上の実験を行い、その成果の一部は21COE-GLOPEの北京コンファレンスで報告され、下記の雑誌論文でも公表されている。これらの実験結果の中でも、個人の特性(戦略性含む)と協力の形成・維持の間の関係、政治的制度決定と協力の形成・維持の間の関係などの被験者行動のデータは非常に興味深く、現在、データを整理し、雑誌投稿論文として準備中である。
 これらの実験研究を補完する理論研究に関し、協力の安定性を表現するコア、カーネルなどの協力ゲームの解の性質について研究をまとめ論文として公表した。さらに、協力ゲームの解に関して新たな理論研究を展開中であり、ワーキングペーパーを作成中である。
 上記研究期間中、多数の理論・実験・応用に関する国際学会、研究会、ワークショップなどに参加し、多様な研究者と有益な議論を行うことができた。また、早稲田大学においても多数のセミナーを主催した。特に、著名なゲーム理論家であるオーウェン教授(Naval 大学院大学)、若手ゲーム理論家であるファン・デン・ブリンク助教授(Amsterdam Free大学)、マインハルト研究員(Karlsruhe大学)などを招聘し、1ヶ月から3ヶ月間滞在して頂き、特別セミナーや連続講義を行って頂き、有意義な討論を行うことができた。さらに、他大学滞在中の研究者として、タルマン教授(Tilbrug大学)らをお招きして研究会を開催した。実験研究に関してはヤナ・フィラステコヴァ博士(Tilburg大学)を1ヶ月間お招きして、実験に関する共同研究を行い、さらに、最近の実験研究の動向や実験手法に関して議論を行った。
 また、2005年7月にはオランダTwente大学に招聘され、提携形成の理論的研究に関して招待講演を行った。