表題番号:2004B-962
日付:2005/04/05
研究課題決済関連法制の比較研究:日米欧およびアジア諸国の電子資金・証券決済法を中心に
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 大学院法務研究科 | 助教授 | 久保田 隆 |
- 研究成果概要
- 特定課題研究費を利用して、決済関連法制に関する海外の書籍や資料を取り寄せ、更に沖縄とシンガポールにおける電子資金・証券決済の実態を調査した。具体的には、欧米の電子資金・証券決済法に関する資料をカタログをみながら収集して最新動向を掴むと共に、沖縄の金融特区・IT特区で現在検討されている最新の動きを日本銀行那覇支店、沖縄県庁、名護市役所で実地ヒアリングをしてきたほか、シンガポールではMonetary Authority of Singapore(MAS)に出向いてシンガポール当局の決済法政策を実地にヒアリングしたり、最近施行された決済法に関する資料を入手することができた。この間、日本の全銀協や金融庁、日本銀行にも出向いて意見交換の機会を持った。
この結果、欧米中心に動きつつある決済制度変革の動きに対し、日本も国全体のみならず特区などの変則形態も活用しながら適応に努めているが、シンガポールなどのアジア新興国と比べると動きが鈍く、既存の法制との整合性確保などがあやとなってドラスティックな改革に結びつきにくい現状が浮き彫りになった。
現在、沖縄特区やハーグ証券決済準拠法条約、その他の研究会に参加して出張成果を踏まえた研究報告を行っているが、内容的に纏まったら活字に落として纏めたいと考えている。