表題番号:2004B-953 日付:2005/09/14
研究課題機関投資家のコーポレート・ガバナンスの国際比較研究-ファンド・マネージメントとガバナンス行動
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 教授 首藤 惠
研究成果概要
2003年末に、日独米英4カ国のファンド・マネージャーの行動に関するアンケート調査を実施した。 本研究は、このサーベイデータを用いて各国機関投資家のファンド・マネージメント行動の違いを検証し、検証結果をコーポレート・ガバナンスの視点から分析するこことを目的とする国際共同研究である。ドイツ・ハノーバー大学のKukas Mekhoff教授との国際共同研究プロジェクトの一環として進めている。当初、4カ国を対象に比較研究を行う目的であったが、英国のサーベー・データが不十分であるために、日・独・米3カ国に絞って、投資視野、herding, 顧客からのプレッシャーへの弱さ、情報の依存効果など、機関投資家行動の違いに関するノンパラメトリック検定を行った。
 暫定的な結果によると、日本の機関投資家は独米に比べて、herding、投資視野の短期性、顧客からのプレッシャー感応性の面で際立っており、企業評価がゆがめられている可能性が示唆されるという、暫定的な結果が得られている。2005年3月のハノーバー大学およびハンブルグ国際経済研究所(HWWA)への出張において、この結果を検討しさらに分析を精緻化して、論文にまとめる手順について意見交換を行うと同時に、ファンド・マネージメントの背景となる各国の機関投資家のガバナンス行動をとりまく制度的環境の違いを明らかにするために、英国およびドイツにおいてコーポレート・ガバナンスに関連する資料収集を行った。研究成果は、統計分析にかけたのち、英文でまとめた。