表題番号:2004B-946
日付:2005/03/13
研究課題デジタルシネマにおける非圧縮・テープレスでの製作手法とその表現に与える効果。
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 大学院国際情報通信研究科 | 教授 | 安藤 紘平 |
- 研究成果概要
- これまでの映画制作は、ほとんどが35mmフィルムによる撮影物を現像し、スキャナーでデジタル化して合成処理を行っていました。
今回の研究においては、映画「ローレライ」(東宝制作)および映画「真夜中の弥次さん喜多さん」(アスミックエース制作)の映像合成製作に参加して、デジタル撮影した映像素材を本庄情報通信研究開発支援センターにデジタルとして持ち込み、インフェルノ、ファイアーなどのデジタル映像合成編集機器を使い、実験・研究を行いました。
映画「ローレライ」においては、映像合成製作会社マリンポストの大屋氏、富永研究室の高木氏と研究協力して、東京・砧にある東宝撮影所と本庄早稲田大学国際情報通信研究センターとを民生用Bフレッツ回線を利用して結び、撮影所でデジタル撮影された映像データをそのまま即日、本庄に送信して、映像合成処理を行いました。これによって、スタジオ撮影された潜水艦が、大海原の洋上あるいは海中を航行する映像に生まれ変わるなど、リアルでダイナミックな世界が映像化出来ました。
また、映画「真夜中の弥次さん喜多さん」においては、TBS・CG部、曽利氏らと研究協力して、デジタルデータを本庄に持ち込み合成処理されました。ここでは、死んだ世界や夢の世界など、宮藤官九郎監督のイマジネーションの世界を映像化出来ました。
これらの研究成果をまとめると、
1.非圧縮デジタルでの処理で、完成映像のクオリティーを確保できる。
2.スキャナーによる時間、経費をかなり節約できる。
3.回線を使ってのデータのやりとりで、時間的短縮、データ損傷の危険回避などが成果として得られる。
4.撮影現場と合成ポストプロダクションとの間のコミュニケーションが密になり、撮影クォリティーが高まる。
5.新しい映画作りのシステムが考えられる。
以上が研究成果の概要です。