表題番号:2004B-936 日付:2005/03/23
研究課題2001年新予算法以降の政策評価に関するフランスの取り組みについて
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際教養学術院 助教授 大門 毅
研究成果概要
本調査は2001年新予算法以降の政策評価に関するフランスの取り組みについて文献と現地調査を実施したものである。
現地調査は2005年1月に実施し、研究成果は概要以下の通り。

欧州が拡大し、結束を強めていく中で、フランス社会がかつてない変化を遂げている。それはあたかも「フランスがヨーロッパに飲み込まれていく」かの印象である。その変化が、日常生活のレベルでも、社会経済のレベルでも着実に進行している。政治面では、王権的な大統領とエリート行政官に支えられてきたフランス共和制の土台が根底から揺らいでいる。経済面では、米国流資本主義でもない、ソ連流統制経済でもない、独特の「混合経済」を標榜してきた経済が消費者中心の経済システムへと大きな変化を遂げている。こうした変化はフランスの国家体制のありかたそのものを問い直す結果となっているといってよい。

本研究ではフランスで現在進行中の予算制度改革を取り上げ、欧州統合を契機とする経済システムの国際標準化が国内行政制度にどのような変化をもたらしているかを明らか委にしたい。次節以下において一連の予算制度改革で中心的役割を果たしている、「2001年8月1日財政法関連組織法」(la loi organique relative aux lois de finance du 1er août 2001)(略称LOLF)が成立した国際的背景、具体的内容と2005年度予算への適用例を概観するものである。