表題番号:2004B-932 日付:2005/03/25
研究課題学校体育におけるフラッグフットボール教材の有効性に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 助手 吉永 武史
研究成果概要
近年、学校体育のボールゲーム指導においては、戦術や作戦を教科内容として位置づける学習指導に関心が寄せられている。なかでもフラッグフットボールは、立案した作戦を実際の戦術行動に結びつけやすい教材として注目されている。本研究では、関東圏内の小学校高学年を対象に作戦づくりを中心としたフラッグフットボールの授業(全11時間)を実施し、作戦の実行能力を高めるためのフラッグフットボールの学習指導についての検討を試みた。毎時間実施されるゲーム場面をデジタルビデオカメラで撮影し、収集した映像から各プレーヤーの動き及びボールの軌跡を1プレーごとに観察シートに記述し、プレーの傾向ならびにプレーの成否、作戦の成否を算出した。その結果、以下の諸点が明らかになった。
①フラッグフットボールの基本的な動きについての指導を提供することにより、学習者が有効な作戦を実行できるようになる。特に、ブロックやフェイクといったランプレーの動きは、個人能力のみに依存したゲーム状況の改善に向けて非常に効果的である。
②ゲームのルールを工夫することにより、学習者による作戦立案の幅を広げることが可能になる。特に、バックスタートによるスタート方法を取り入れることによって、フェイクの動きを使った多様な作戦を実行できるようになる。
③個々の役割を明確にすることや、相手に応じて複数の作戦を組み合わせることを指導内容として提示することにより、学習者の作戦立案に工夫がみられるようになり、それに伴い作戦の成功率も高まっていく。