表題番号:2004B-002 日付:2008/11/17
研究課題情報教育におけるメディアリテラシー教授法とコンテンツ
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 橘 孝博
研究成果概要
情報教育におけるリテラシー学習には3段階あると考えられる。はじめは、コンピュータ操作を中心とする
「コンピュータリテラシー(マシンリテラシー)」、次に、情報の収集・整理・統合・発信する能力の「情報
リテラシー」、最後の段階が、インターネットだけでなく新聞・テレビ・電話などすべてのメディアを統合し
て扱う能力の「メディアリテラシー」である。メディアリテラシーは、高度情報通信社会で通信網がブロード
バンド化され放送網がデジタル化される中で、ますます重要になるが、高等学校情報教育の中では授業の方法
など、まだ十分な研究が進んでいない。
本研究では、高等学院の3年生選択科目「情報メディア」を実践の場として、いくつかの取り組みを行い、
その効果を見た。そこで、得られた教授法を、例として以下に簡単に紹介する。ここでは高等学校3年生の連
続2時間の授業を想定している。
1学期は、著作権法に関する学習を行う。特に高度情報通信社会で知的財産の概念がなぜ強調されるのか、
また、それらを護る法律について知る。その基本的事項を抑えておくことで、メディア作品製作におけるwebや
本などからの情報の引用でのトラブルを減らすことができる。その後、生徒をグループ化して、紙媒体の作品
を作らせる。実際に、企業のweb上から写真などを使わせ、その企業に断りの連絡をいれさせるなどの実践も
させる。次に、2,3学期は、ビデオ作品を作らせる。初心者でも扱いやすいものとして、ビデオカメラのコマ
撮り機能を用いた短いアニメーション作品がよいhttp://www.cgarts.or.jp/contest/scg/2003/winner/index.html
などを参考として見せると、イメージしやすい。さらに、音楽を入れさせることで完成度を上げる。以上の内容は、
教育学部の教科教育法「情報科教育法」の受講学生にも、教員になったときに使えるプログラムとして、いくつか
を紹介している。