表題番号:2004A-360 日付:2005/12/29
研究課題ビデオ会議システムを利用した海外の日本語教師遠隔支援
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院日本語教育研究科 助教授 宮崎 里司
研究成果概要
本研究は、ビデオ会議システムによる、海外の日本語教師を対象とした日本語教育支援を目的とするものであり、独創的な現職者研修プログラムの可能性を示唆するものである。現在、海外の日本語教育は、それぞれの地域の特色を生かしながら、学習者の日本語能力の向上に向けたさまざまなプログラム開発が行われているが、日本語非母語話者の教師は、自らの日本語能力の向上も含め、日本語教育全般に対し、さまざまな問題を抱えている。

早稲田大学は、Cross Cultural Distance Learning(CCDL)といった遠隔教育事業を開始し、英語、中国語などで、海外提携校との共同ゼミナールを展開しているが、日本語も、アジア・太平洋地域の実験提携大学との遠隔教育を発展させ、新しい日本語教育を展開するための基盤整備を図っているが、担当者は、2004年9月から2005年8月まで、特別研究期間を利用し、英語圏の3大学(プリンストン大学東アジア研究科 04年9月~12月、モナシュ大学日本研究科 05年1月~5月、オックスフォード大学東洋学科 05年6月~8月)で遠隔教育関連の知見を拡げると共に、今後のプログラム整備の可能性を検証した。その結果、時差によるリアルタイムの問題障壁はあるものの、ビデオ会議システムを援用した教師ネットワークの形成により、web-based trainingの共同開発などの可能性について、情報交換できたことが最大の成果であった。具体的には、ビデオ会議システム(BizMate)を利用し、“ビデオビュー”や“スライドビュー”“ウェブビュー”“テキストチャット”に加え、オンデマンド型のインターアクションなども可能である。交付期間中の研究発表として、フランス日本語教師会や日本語国際大会での論文発表、さらには南オーストラリア大学でのセミナーなどで、海外の日本語教師遠隔支援の意義について情報交換できた。